今回は、今や忘れ去られてしまった観のある古代文明・古代国家の10選をご紹介します。

はるか昔、偉大なる文明あるいは大きな勢力を誇った王国だったが、現在はその国や言語は残っていない、また存立していた期間が短かったり記録が乏しいという理由で、歴史における存在感が薄い古代国家たちです。

それではさっそく見ていきましょう。

■アクスム王国

ヨーロッパ列強にも屈しなかったアフリカ最古の独立国であるエチオピアの地域にエチオピア帝国以前の古代から中世(100~940年)にかけて存在した王国。ソロモン王の血筋を受け継ぐといわれる国家。

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■クシュあるいはクシュ王国

紀元前3100年~2890年ごろから南エジプトに現れたクシュ人の文明。最も早い時期にナイル川流域に栄えた文明の一つといわれている。

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■ヤム王国(The Kingdom of Yam)

いまだ正確な場所が判明されていないが、エジプト南部からスーダンにかけてのヌビア地方にあったとされる王国でエジプトの貿易相手国であった。エジプト第6王朝時代の大商人ハルクフが4回の旅行及び通商活動を行っていたことがわかっている。

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■匈奴帝国

紀元前4世紀頃から5世紀にかけてモンゴル高原に存在した遊牧民族、匈奴が中核になって興した遊牧国家(紀元前209年 – 93年)。モンゴル高原には匈奴のほかに月氏,東胡といった民族・遊牧国家が存在したが、最も小国だった匈奴の冒頓によって史上初めてモンゴル高原が統一された。

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■グレコ・バクトリア王国

現在のアフガニスタン北部とタジキスタン、カザフスタンの一部の地域にあった王国(紀元前255年頃 – 紀元前130年頃)。アレクサンドロス大王の東方遠征によって征服された場所に大王の死後、ギリシャ人によって建国された、典型的なヘレニズム国家。ギリシャ神話とインド神話の融合が見られた。

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■月氏(あるいは大月氏)

モンゴル高原の遊牧民族であった月氏は匈奴に追われ現在の中央アジアからインド北部に定着しイラン人を支配化にしたクシャーナ朝(クシャン帝国)を建国した。1世紀~3世紀に渡ってインドやパキスタンやイラクからの力に屈せず生き延びた。

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■ミタンニ王国

世界最古の文明といわれているメソポタミア(現在のイラク)といえばヒッタイトやバビロニアそしてアッシリアという王国が有名だが、紀元前1600年ごろからに300年に渡って存続したフリル人の王国。メソポタミアはアフロ・アジア語族のセム語派(現在のアラビア語)を話す人種の文化圏であるがフリル人はインド系の言葉を話す民族であった。

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■ツワナ(Tuwana)王国 ※アフリカのボツワナのツワナ人とは別

これまでアッシリアの文献などでしか確認されていなかった幻の王国、ツワナの遺跡が2012年にトルコのカッパドキア南部のキニク・ホユックで発見された。ツワナの遺跡は紀元前1千年期の最初の時期のものだという。メソポタミア文明とギリシャ文明の緩衝地帯であるためその立地の重要性から裕福な国家であったという。

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■マウリヤ朝マガタ国(紀元前317年頃 – 紀元前180年頃)

インド史上初の統一王朝である。インド南端を除くインド亜大陸を支配した。チャンドラグプタはインド十六大国のうち最も有力であったマガタ国のナンダ朝に反旗を翻し、クーデターによって打倒、インダス川方面のアレキサンダー大王の支配地域も奪取した。孫のアショーカ王の時代に最も勢力を拡大したが彼の死後、急速に衰退していった。130年ほどの短い王朝であった。

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■インド・グリーク朝

紀元前2世紀頃から西暦後1世紀頃までインド北西部を支配していたギリシア人(インド・ギリシア人)の王国。インド・ギリシア人に関する記録は非常に少ない。ヘレニズム国家の一つグレコ・バクトリア王国系のギリシア人たちたちであることはわかっている。
ガンダーラ仏教美術における仏像の文化はギリシア人仏教徒によってもたらされた。仏像がギリシア人風の顔をしているのはこのためである。

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